闘病記からの感情要因抽出
Tobyoki Emo-Cause: Patient Emotion-Cause from Tobyoki
医療言語処理 · 闘病記 · データセット構築
概要
感情要因抽出の意義と目的
患者や関係者が病の体験を綴る「闘病記」には、臨床データだけでは捉えにくい主観的な感情や生活の質(QoL)の変化が記録されています。不安、つらさ、安心、家族からの励ましなどは、治療過程を理解するうえで重要な情報です。
本研究は、言語処理技術を用いて、闘病記に現れる患者の感情と、その感情を引き起こした出来事(感情要因)を結びつけて構造化することを目指します。医学的なイベントだけでなく、生活上の出来事や心理的支えになった出来事も抽出対象に含めます。そして、構造化データを医学的分析や医師・患者向け応用へと活用します。

手法
主なアプローチ
本研究では、ブログやSNS、図書などの形式で公開された闘病記に対し、 感情表現と対応する感情要因を時系列にまとめた 感情イベント要約 を作成します。
感情要因の抽出には、大規模言語モデル(LLM)を用い、最終的には人手による修正を。抽出時には、本文中の固有名詞や個人を特定しうる情報を抽象化し、後段に想定される医学的分析などに必要な出来事の構造を残しながらプライバシーに配慮します。

展開
このプロジェクトが可能にすること
症状・治療・服薬・検査・通院などの時系列に、患者が何をどう感じたか、その要因は何かという情報を付加します。
人名・地名・医療機関名などの識別情報を抽象化しつつ、分析に必要なイベント構造を保持します。
複数言語の患者ナラティブにもタスクを拡張し、言語間の比較分析に使える感情要因データを整備します。
外部関連リンク
- 病の体験記サーチ — 奈良先端科学技術大学院大学ソーシャル・コンピューティング研究室による、病の体験記を検索するための関連サイト。
- PRISM Annotator — LLMを用いて医療・臨床テキストにPRISMアノテーションを付与するCLIツール。
- TobyokiSummary — 日本語闘病記ブログの医療イベント要約データセット。