専門用語辞典の​自動構築に​よる全学術分野の​知の​統合

TermAtlas: Automatic Construction of Specialised Dictionariesfor Integrating Knowledge Across All Academic Fields

JST 創発的研究支援事業 2024年度採択 — 研究期間 2025〜2032年度

研究代​表者:矢田 竣太郎​(筑波大学 図書館情報メディア系 准教授)

プロジェクト概要プレゼンテーション​(約10分)

意義・目的

研究概要

高度に​専門化した​現代の​学問では、​概念の​産生・更新が​急速で、​知の​整理が​追いつきません。​専門用語辞典は​その​分野の​知を​体系化した​貴重な​資源ですが、​編纂には​膨大な​コストと​時間が​かかり、​改訂サイクルは​10〜20年に​及びます。​進歩の​速い​分野では​辞典が​出版されない​こともあります。​

本研究は、​専門用語辞典を​自動的に​構築・改訂する​システムを​開発し、​理工学や​人文社会科学、​ひいては​体育・芸術を​含む全​分野を​対象に、​異分野間の​用語​関連性を​可視化する​ことで、​複雑化した​学術界に​「世界地図」を​描く​ことを​目指します。​

専門用語辞典を自動構築し、全分野を統合するシステムのフェーズ別ロードマップ

提案手法

アプローチ

従来の​用語抽出研究は、​膨大な​論文コーパスから​統計的に​「目立つ語」を​拾う​手法が​主流でした。​本研究は​発想を​逆転し、​実在する​専門用語辞典を​出発点と​して、​解説文中で​引用される​重要論文の​属性を​分析します。​

この​「重要論文 → 用語」の​関係を​定式化する​ことで、​新たな​重要論文の​発見から​用語の​検出・編入・解説文生成までを​一貫して​自動化します。​さらに、​辞典の​改訂履歴を​手が​かりに、​これまで​暗黙知とされてきた​辞典編集の​判断過程に​客観的に​迫ります。​

辞典編集の流れに立ちかえる用語検出・編入の手法の概念図

革新性

学術​「世界地図」の​イノベーション

辞書学最大の​謎​「編集知」を​客観的に​解明

辞典・事典に​用語を​採録する​判断の​メカニズムを、​改訂履歴の​分析を​通じて​解明します。

用語=概念の​成長過程から​創発メカニズムを​分析

自動更新に​よる​ターミノロジーの​時系列変化から、​新たな​研究領域の​創発過程を​追跡します。

生成AIと​組み合わせて​究極の​パーソナライズ辞典自動生成

読者の​専門や​習熟度に​応じた​解説文を、​信頼性の​高い​情報源に​基づいて​動的に​生成します。

AIに​「無知の​知」を​実装する​ために​不可欠な​情報源を​提供

体​系化された​学術知識は、​生成AIの​ハルシネーション対策に​有用な​外部​参照点と​なります。

専門用語辞典の​ご提供に​ご協力ください

本研究では、​各分野の​専門用語辞典・事典を​分析対象と​しています。​出版社・学協会の​皆さまで、​辞典データの​ご提供に​ご関心を​お持ちの​方は、​ぜひ​お問い​合わせください。

関連研究業績

  • K. Kageura, T. Fujii, S. Yada, R. Miyata, "Terminologists as Social Custodians of Knowledge: Clarifying the Expertise of Terminologists and the Status of Terminologies", Proceedings of the 2025 Asia-Pacific Library and Information Education and Practice (A-LIEP), 2025.

※ 本プロジェクトに​直接関連する​業績を​掲載しています。​PIの​全業績は​こちらを​ご覧ください。